次の DEMO をチェックする
ひとりランチ

【銀座】そばつゆで味わう黒豚の世界──「いちにいさん 銀座店」で出会う郷土の滋味

和モダンな店構えの日本料理店「いちにいさん」
ランチブロガー富

銀座インズ地下に佇む「遊食豚彩 いちにいさん 銀座店」は、
鹿児島直送の黒豚を“そばつゆ仕立てしゃぶしゃぶ”で味わう、上品でありながらもココロに響く専門店です。

黒豚の柔らかさと脂の甘みを、かつお出汁のそばつゆがそっと包み込む──
そんな“郷土の出会い”を、銀座の街中で体験させてくれる場所です。

そばつゆ仕立ての黒豚しゃぶしゃぶ──いちにいさんの看板料理

銀座の中心で湯気をたたえる一鍋。
その中に広がるのは、鹿児島黒豚の滋味と、和の出汁文化の粋

「いちにいさん 銀座店」の代名詞ともいえる「そばつゆ仕立ての黒豚しゃぶしゃぶ」は、
単なる“しゃぶしゃぶ”ではなく、ひとつの完成された料理哲学です。

1. 鹿児島直送──黒豚の「甘み」と「香り」

使われるのは、鹿児島から直送される純粋黒豚
引き締まった赤身と、きめ細かい脂が特徴です。

黒豚の脂は決して重くなく、
加熱するとバターのようにさらりと溶け、上品な甘みを残します。

「黒豚は、脂が旨い。脂で勝負する豚です。」
料理人はそう語ります。

肉は一枚一枚が極めて薄く、しゃぶしゃぶするわずかな時間で旨味が花開く。
その繊細さを引き出すのが、そばつゆ仕立ての出汁なのです。

2. 出汁の個性──「そば屋のつゆ」を生かした革命的発想

一般的なしゃぶしゃぶは、昆布出汁に肉をくぐらせ、
ポン酢やごまだれで食べるのが定番。

しかし、いちにいさんでは違います。

出汁そのものに味を持たせ、
“そばつゆでしゃぶしゃぶを完結させる”という発想。

かつお節の香りが立つ関西風のそばつゆに、
醤油とみりんの甘みがやさしく調和し、
肉を浸すたびに旨味が増していく設計です。

この「つゆを食べるしゃぶしゃぶ」は、
創業以来の看板スタイルであり、いちにいさんの代名詞。

湯気の中から立ちのぼる香りだけで、もう一膳目のごはんが欲しくなるほどです。

3. くぐらせる“間(ま)”が生む、極上の瞬間

いちにいさんの黒豚しゃぶしゃぶにマニュアルはありません。
ただし、常連たちはみな、“秒単位の美味しさ”を心得ています。

肉を箸で一枚取り、出汁の中で3〜4秒。
赤身がうっすら桃色に変わった瞬間が食べごろ。

そばつゆが黒豚の表面に薄く絡み、
そのまま口へ運ぶと──

まず、かつおの香りがふわりと鼻を抜け、
続いて黒豚の脂が舌の上でとろりと溶ける。
最後に醤油のキレが余韻を締める。

このわずか数秒の“温度の魔法”が、
いちにいさんのしゃぶしゃぶを特別な体験にしています。

4. 薬味と野菜──味を重ねる、和のバランス

そばつゆの中に添えられるのは、たっぷりの刻みねぎとゆず胡椒
ねぎの辛みが出汁の甘みを引き締め、
ゆず胡椒の香りが一瞬で食卓に“九州の風”を吹かせます。

また、しゃぶしゃぶに添えられる野菜にも工夫があります。
白菜、春菊、水菜、人参──
どれも出汁を吸いやすく、肉との相性を計算して選ばれています。

中でも印象的なのは、そばが締めに登場すること。
豚と野菜の旨味を吸ったつゆをそのまま活かし、
最後の一滴まで“食べ尽くす美学”がここにあります。

5. 「一・二・三」──味わいの流れに込められた哲学

店名の「いちにいさん」は、
鹿児島弁で“仲間や家族と声を合わせて楽しく”を意味するリズム。

しゃぶしゃぶのメニューにも、「いちの味」「にいの味」「さんの味」という3つの段階があり、
それぞれに少しずつ変化を持たせています。

  • いちの味:基本のそばつゆ仕立て。素材の旨味をそのまま楽しむ。
  • にいの味:野菜や薬味を加えて香りを重ねる。
  • さんの味:締めのそばで、出汁の深みを味わい尽くす。

“味の三拍子”を揃える──それが、いちにいさんの流儀。

一度の食事で、味・香り・温度の変化を楽しむ構成になっています。

6. 「出汁が主役」という思想

いちにいさんのしゃぶしゃぶを一言で表すなら、
それは「出汁が主役の料理」。

肉でもなく、薬味でもなく、出汁そのものが中心にある。
この発想は、九州の郷土料理と関東の食文化の融合であり、
和食の新しいスタイルとして高く評価されています。

出汁を飲み干したあと、
胃にも心にも“澄んだ余韻”が残る。
それが、この料理が長年愛され続ける理由です。

7. 締めの一口に宿る満足感

しゃぶしゃぶを楽しんだあと、
残ったつゆに細打ちそばを入れると、また違う物語が始まります。

黒豚の脂がつゆに溶け込み、
かつおの香りと重なって生まれる“旨味の相乗”。
最後の一滴まで美味しい、完成されたコースです。

食後の満足感は、量よりも余韻
派手さではなく、心に静かに残る“味の記憶”がここにあります。

空間と設備──和の落ち着きと銀座の気配

店内は席数約99席。カウンター席、テーブル席、掘りごたつ個室など多様な座席構成です。
銀座インズのB1という立地でありながら、静かで落ち着いた雰囲気を保っており、大小の集まりにも使いやすい設計。
全席禁煙。掘りごたつ個室もあり、接待や記念日の利用にも対応。

照明は抑えめで温かく、料理が映えるように設計されている印象です。
料理の提供ペースもゆったりめで、銀座の喧騒を忘れさせるような“時間の間(ま)”が感じられます。

四季と郷土を感じる、変化を含む料理

銀座・いちにいさんでは、黒豚しゃぶしゃぶが中心ですが、それ以外にも郷土色を感じる料理が揃っています。
鹿児島の黒豚を軸としつつ、旬の野菜や魚介との組み合わせで変化をつけるコース構成。
また、蒸ししゃぶコース、すき焼き風コースなど料理手法を変えたバリエーションも持たれています。
ランチのバリエーションも豊富で、手軽に黒豚を味わえるセットメニューが揃っているのも特徴。

なぜ大人に選ばれるか──銀座で楽しむ郷土の極味

銀座の街にありながら、どこか“鹿児島のぬくもり”を感じさせる。
それが「遊食豚彩 いちにいさん 銀座店」の最大の魅力です。

華やかで刺激の多い街で、
この店だけは“心の温度”が少し上がるような安心感を与えてくれる。
そんな体験が、大人たちを何度も足を運ばせています。

1. 郷土の味を「上品に洗練」させた安心感

いちにいさんの料理は、郷土の香りを残しながらも、
銀座という土地にふさわしい“上品さ”を備えています。

鹿児島の黒豚、かつお出汁、地酒──
素材そのものは素朴でありながら、
調理・盛り付け・サービスに至るまで、過剰さのない美しさがあります。

「懐かしい味なのに、ちゃんと銀座の味になっている」

そんな声が多いのは、
“ふるさとをそのまま持ち込む”のではなく、
大人の街に似合う“郷土の再構築”をしているから。

黒豚しゃぶしゃぶはそばつゆ仕立てで軽やかに、
焼き物や蒸し物は塩梅を控えめに整え、
脂や甘みを“香り”として感じさせる。

この「濃すぎず、薄すぎない」絶妙な味の設計が、
経験を重ねた大人の舌に深く響くのです。

2. 銀座の喧騒を忘れさせる「静けさの設計」

銀座というと、どうしても“煌びやか”“高揚感”というイメージが先に立ちます。
しかし、いちにいさんはその真逆を行く。

照明は柔らかく、席間はゆとりを持たせ、
料理の提供ペースもあくまでゆっくり。

その結果、客同士の会話や、
箸の動きが自然と丁寧になる。

「忙しい1日の終わりに、呼吸を取り戻せる場所。」

そんな声が多いのは、
この店が“食事をする”だけでなく、
“自分のペースを取り戻す時間”を提供しているからです。

静けさは、何も特別なことをして生まれるものではありません。
出汁の香り、木の温もり、そして店員の控えめな所作──
それらが合わさって、心が整うような空気をつくる。

銀座という街の中で、“穏やかに食べられる場所”という価値は、
大人になってこそ深く実感できるものです。

3. 五感に寄り添う「もてなし」と「距離感」

料理が素晴らしくても、接客が硬すぎれば緊張する。
かといって、軽すぎても気が抜ける。

いちにいさんのスタッフが見事なのは、
その“中間の温度”を心得ていること。

席につくとすぐに笑顔で迎えられ、
注文のタイミングも絶妙。
料理の説明も簡潔で押しつけがましくない。

「何も言わなくても、欲しいタイミングでお茶が届く。」

そんな、言葉にならない“呼吸の合い方”がある。

これは、決してマニュアルで教えられるものではなく、
相手のリズムを読む感性
それこそが、大人が“心地よい”と感じる最大の理由です。

そしてこの控えめな接客は、
料理の余韻を壊さず、むしろ深めてくれる存在。
だからこそ、接待・記念日・家族の集まりなど、
どんな場面でも“安心して委ねられる店”として選ばれるのです。

4. “派手な満足”ではなく、“静かな幸福”を提供する店

いちにいさんは、「特別な驚き」よりも「心に残る安らぎ」を大切にしています。

黒豚の旨味を引き立てるそばつゆ、
湯気の立ち方、器の温度、箸置きの位置──
すべてにおいて「派手ではないのに心地いい」設計がなされています。

「食べ終えた後、身体がすっと軽くなる。」

この感覚こそが、“大人の満足”の本質。
満腹ではなく、満たされる
この違いを理解している人ほど、この店の価値を感じるのです。

5. “郷土”が“上質”になる瞬間──いちにいさんの哲学

いちにいさんのコンセプトは、
「郷土を、粋にする」。

鹿児島の黒豚という素材は、日本の原風景そのもの。
それを、銀座の空気感に合わせて再構築することで、
“郷土の味が上質になる”という新しい価値を生み出しています。

この姿勢が、大人世代に深く刺さる理由。
懐かしさと気品を両立させ、
“帰るようにくつろげる銀座”を体現しているのです。

店舗情報(最新情報は事前確認を)

店名:遊食豚彩 いちにいさん 銀座店

所在地:東京都中央区銀座西3-1 銀座インズ1 B1

アクセス:JR 有楽町駅 徒歩1分、地下鉄有楽町線 有楽町駅 徒歩1分、銀座線 銀座駅 徒歩1分

営業時間:11:00~21:30(L.O. 21:00)
 ランチタイム 11:00〜15:30

定休日:不定休(ビルの休館日に準じる)

席数・構成:総席数99席(カウンター/テーブル/個室あり)

平均予算:昼 約1,000円、夜 約4,000円前後

支払方法:各種クレジットカード、電子マネー対応

結び|銀座の喧騒の中にある、静かな「旨味の居場所」

華やかな街・銀座にありながら、
「いちにいさん 銀座店」は、時間がゆっくりと流れる数少ない場所のひとつです。

鹿児島の黒豚を、そばつゆという“やさしい旨味”で包み込む。
それは、華やかさよりも“落ち着き”を求める大人の味わい。

湯気の向こうに感じるのは、
出汁の香り、素材の甘み、そして“丁寧に食べる”という贅沢。

「派手さよりも、静けさを味わう。」
そんな食の原点を、銀座の真ん中で思い出させてくれるお店です。

仕事帰りに、旅の途中に、
あるいは大切な人と過ごす食事のひとときに。
いちにいさんの一膳には、
“心を整える味”が、確かに息づいています。

ABOUT ME
Tokyoランチ日記
Tokyoランチ日記
昼ごはん探究者|東京ときどき旅
ランチ案内人|法人経営者 東京と旅先で「また行きたい」ランチを探しています。 趣味は料理・麻雀・愛犬との時間。味・空間・人の温かさを感じたお店を、経営目線も交えながら発信中。
記事URLをコピーしました